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まえがき : ヴァリニャーノ
Alessandro Valignano(1539-1606)は、当時スペイン支配下のナポリ領に属するキエティという町に生まれたイタリア人です。1566年イエズス会に入会し、1570年司祭に叙階され、イエズス会総長から「巡察師」という権限と共に、日本宣教に関して自由に決断と命令ができる特別な権限を与えられて、1579年日本に上陸しました。
日本の宣教思想に著しく変化と発展をもたらした人々の中で、ヴァリニャーノほど重要な人物はいないと言われます。ザビエルの来日が日本と西洋の文化との第一段階の出会いであったとすれば、ヴァリニャーノの時代は、方向転換の試みを受けながら、宣教師の数や組織整備などを達成し、初期の出会いを一層深める段階に入っていました。今年ヴァリニャーノの没後400年を記念し、彼の日本における宣教を振り返ることによって私たちの宣教のあり方を見直し、より良いものにしていくことができるように願い、この特集をお届けします。
長崎「日本二十六聖人記念館」館長(2006年の特集記事公開当時)のレンゾ・デ・ルカ神父様の御協力を得ています。